自分の為に動いてくれるのかとほんのわずかに期待してしまったリュミエールは、彼女が誕生日プレゼントの包みをぐしゃりと踏みつけ、蹴飛ばしてしまったのを見て愕然(がくぜん)となる。

 そして続く言葉もそれを裏切らず、酷いものだった。

「あなたは今王太子殿下に振られた。わかるかしら、もうその存在に何の価値も無くなったっていうことよ! まぁもともと偽物には、こんな大役ふさわしくなかったのだけどね。夢を見られただけありがたく思うといいわ。……さぁ、ここにいる皆様に騒がせたお詫びをして、さっさとその陰気な顔をこの場から下げなさい!」
(そんな……あんまりだわ)

 乱暴に肩を押しやったリーシアの言葉に、リュミエールの瞳からポロポロと涙がこぼれ出した。周囲からの嘲る笑いと王太子たちを祝福する声が、彼女の胸に二重に突き刺さる。

 そして、サンドラがさらにリュミエールに酷い追い打ちをかけた。