「…………!? ふわっぁ……!? あうっ」

 あまりの驚きで、膝の上の小公爵ごと立ち上がろうとして失敗し、ぺたんと尻餅をついたリュミエール。

「……どうした、いきなり飛び上がって」
「ご、ごめんなさい……な、何でも」
(そのままでいい、私の話を聞いて欲しい)
(は、はぁ……)

 レクシオールに首を振り、目を白黒しながら座り直すリュミエールに、小公爵は真摯な瞳のまま語りかけた。

 そうは言われても、彼女には頭の中の声と目の前の存在がどうも結びつかない。
 
(困ったわ……。幻聴や幻覚ではないの? いたたたた……)
(何だ、疑っておるのか? では踊って見せよう。ホレ、ホレ)

 手の甲をつねって痛みが感じられるのを確認していると、小公爵は体をくねらせ妙なダンスを踊り出す。