かすかなうわごとが母の口から漏れる。
『あの子の声が……。こんな所にいるはずが無いのに……』
『どう……して?』
『レクシオール様……どうしてこちらに!』
後ろから慌ただしく入って来た医師の胸倉を俺は掴み上げた。
『ふざけるな! どうして……こんなになるまで知らせなかった!』
憎しみの籠った俺の目付きにも怯まず、医師は強い口調で事実を告げる。
『――レジーナ様より、私達もお父上も堅く口止めされていたのです。レクシオール様が心置きなく勉学に集中できるできるように……。あなたが将来この地を継ぐのにふさわしい人間となって貰うために』
『そ、そんなことの為に……!』
怒りのままに医師の背中を壁際にぶつけ、部屋が軋んだ。
だが彼は抵抗せず、覚悟のある瞳で俺をじっと見つめ返す。
そしてかすれた声が再び届いた。
『レクシオール……?』
『母様っ!』
『あの子の声が……。こんな所にいるはずが無いのに……』
『どう……して?』
『レクシオール様……どうしてこちらに!』
後ろから慌ただしく入って来た医師の胸倉を俺は掴み上げた。
『ふざけるな! どうして……こんなになるまで知らせなかった!』
憎しみの籠った俺の目付きにも怯まず、医師は強い口調で事実を告げる。
『――レジーナ様より、私達もお父上も堅く口止めされていたのです。レクシオール様が心置きなく勉学に集中できるできるように……。あなたが将来この地を継ぐのにふさわしい人間となって貰うために』
『そ、そんなことの為に……!』
怒りのままに医師の背中を壁際にぶつけ、部屋が軋んだ。
だが彼は抵抗せず、覚悟のある瞳で俺をじっと見つめ返す。
そしてかすれた声が再び届いた。
『レクシオール……?』
『母様っ!』



