部屋は空っぽになっており、シーツや調度品なども全て新しいものに変えられている。
母がいた痕跡はどこにもない。
(場所を、移したのか……?)
俺は部屋から出ると、療養所内で母の世話をしていた医師を探そうとしたが、それより早く看護人達の声が耳に届いた。
『……奥の部屋のレジーナ様、日に日に痩せて来られて、あれでは……』
『駄目よ……まだ坊ちゃまも帰られていないのだし、なんとしてでも保たせて……』
(――ッ!?)
それを聞いて氷で突き刺されたかのような感覚が胸に走り、一番奥の突き当りの部屋に向かって駆け出すと扉を乱暴に開ける。
そしてそこで見たのは、ベッドの上で骨と皮ばかりになった母の姿だった。
『母様……?』
手紙では、病状は進行していないということでは無かったのか……?
こんな……。
母がいた痕跡はどこにもない。
(場所を、移したのか……?)
俺は部屋から出ると、療養所内で母の世話をしていた医師を探そうとしたが、それより早く看護人達の声が耳に届いた。
『……奥の部屋のレジーナ様、日に日に痩せて来られて、あれでは……』
『駄目よ……まだ坊ちゃまも帰られていないのだし、なんとしてでも保たせて……』
(――ッ!?)
それを聞いて氷で突き刺されたかのような感覚が胸に走り、一番奥の突き当りの部屋に向かって駆け出すと扉を乱暴に開ける。
そしてそこで見たのは、ベッドの上で骨と皮ばかりになった母の姿だった。
『母様……?』
手紙では、病状は進行していないということでは無かったのか……?
こんな……。



