「――ここには公爵家の代々の先祖たちが眠っている。我々の行く末を見守り、守護して下さっていると言われているんだ……」
「そ、そうなのですか……」

 立ち並ぶ墓石群に、普段であればついレグリオの名前を探しただろうが、今のリュミエールにそこまでの余裕はなかった。

(どこにいったのかしら、小公爵は……)

 墓地に入るとするすると小さい隙間を通り、急に姿が見えなくなってしまった小公爵。

 しかし何故か、レクシオールは目的地を知っているかのように……重たい足を引きずるようにどこかへと歩いてゆく。

 ――ニャー……。

 そして二人の元に小さな鳴き声が届いた……近づいているのだ。

「あちらから聞こえて来ます」
「……やはり、か」