「せっかくこうして集まったのだ。狩りをするだけではつまらないだろう……一番獲物を多く捕らえた者の言うことを、最下位の者がなんでも聞くというのはどうだ?」

 余程弓に自信があるのだろうか……?
 そんな風には見えないが、勝っても負けてもややこしいことになるのは明白だ……俺は反対の声を上げる。

「私は賛成しかねますな……本日は友好を深める為という名目であったはずでは?」

 だが、他の二人は乗り気のようで、朗らかに王太子に追従する。 

「だからこそですよ、男には男の付き合い方というものがありましょう……面白いではありませんか」
「王太子の言われることでしたら、仕方ありますまい。少し位いいでしょう、ハーケンブルグ公爵……」
「いや、私は……」

 結局多数決で押し切られることになり、俺は渋い顔をしながらそれに参加させられた。少しばかり作為的な雰囲気を感じて気は進まないが……こうなっては仕方がない。