「いいえ……このことが分かっただけでも良かったわ。あまりにもはっきりした夢だから、きっと何かあるはずだし、また自分でも色々調べてみようと思うの……大丈夫!」

 そう言い切っては見せたものの、自信を失くしてしまったのは隠せなかったらしく……柔らかい声でシスターは励ましをくれる。

「元気をお出し下さい。夢で何らかの啓示が下ることはままありますし、私もそれがまやかしだとは思えません。そうですね……良かったら私もお力添えさせていただけませんか? 幸い礼拝堂には日々大勢の方がいらっしゃいます……そういったお話を存じている方に出会えたら、話を伺ってみますから」
「本当!? シスター、ありがとう!!」

 ――こんな私の話を信じてくれるなんて!!

 その言葉に驚いたリュミエールはロディアに思いきり抱き着く。
 今までこんな秘密を共有できるのはケイティ位しかいなくて……彼女にとっては涙が出るほど喜ばしいことだったのだ。 

 手掛かりを無くしてしまったけれど、今はそれよりも信頼できる友人ができたことが何よりも嬉しい。少し前から感じていたリュミエールの不安を、この優しいシスターはあっという間にどこかへと吹き飛ばしてくれたのだ……。