ムショうの


 うのちゃんがもしドラえもんだったら、人に道具を出してあげるどころか、おなかのポケットに、どんどんそこらへんのものを取り込んでしまうと思う。

 でも、うのちゃんはしずかちゃんタイプではないなぁ。のび太君でもジャイアンでもない。

 アラジンでも、ランプの精でもない。

 …うのちゃんは、うのちゃんだ。



 うのちゃんの荷物を大方収めたあと、久しぶりに、自分の部屋も模様替えすることにした。

 本棚に乱雑につっこんでいた小説やマンガを、一度取り出して床に置く。

 きれいに並べ直そう。やっぱり、作者順かな。でもそれじゃあ、本の高さがバラバラになっちゃうな。

 息をついて、目に飛び込んできたのは、いつかの誕生日に買ってもらったコンポ。

 コンポの下に敷きっぱなしだった、水色の北欧柄の布を引っぱり出す。
 数ヶ月間、ずっと部屋に色味をくわえていたそれは、役目を終えて。

 新しく、違う布を敷きなおした。黄色の水玉模様の布だ。

 真新しい柄。わたしの部屋に、ピカリと灯りが増えたよう。

 しっくりと似合うのを確認してから、コンポの電源を入れた。

 流れ出す、はじける音楽。アオイから借りた、ロックバンドのCD。

 かきならすギター、速いテンポの曲は、室内の空気を一掃する。
 本を並べ替える手も、自然と速くなっていく。

 あまり聴かない雰囲気の曲だった。街中で耳にしたこともない曲。そりゃそうだ、発売したばっかりだと、言っていたから。