「お姉ちゃんとこまりは、カゾクだから。どんなにワガママだって、困らせたって、無償の愛だけどね。もともと他人だった人に、それってむずかしい、よね。たぶん、見返りとか、ヘンに計算したりとか、ね。不安とか疑っちゃうのとかが、生まれたり」
「……」
「なくなるのが一番だけど…でも、ね。やっぱね、計算ナシとか、できないし。できないもん、いいじゃん。いいんだよね、今はそれで。自分がせいいっぱい、頑張れる分だけで」
うのちゃんが、わたしに笑う。
声はひっそり、おさえたまま。
涙の膜が分厚く張った、わたしの視界のなかで、いつものニヘラッとした、平和な顔で笑いかける。
「いつか、ゆっくりでいいから、だれかに無償の愛、していけるといいねぇ。わたしも、こまりも」
その日の夜は、うのちゃんの部屋で、一緒に寝た。
いろんなことを話したような、かすかな記憶はあるけれど。気がついたら、いつの間にか眠っていた。
どっちが早く寝たのか、翌朝うのちゃんに聞いたら、
「あはは、どっちだろ~!」
うのちゃんは、笑った。
ほっぺたのソバカスは黒点。お日様みたいな笑顔だった。



