「うん、うん!でも一回、録画し忘れちゃってさー、あーもう見る気失せたーって思ってたんだけど、ね。最近は、便利だよね。見逃しても、ネットでさがせば出てきたりするんだもん。便利なヨノナカだよねぇー。そうそう、YouTubeっていうんだっけ」
うのちゃんが、「ユウチュウブ」とやけにクッキリ発音するから、ちょっと笑ってしまった。
だってユウチュウブって、なにかの部活みたい。優宙部?漢字にしてみたら、なんのことだかサッパリだ。
弾丸トークを得意とするうのちゃんも、ドラマが始まってからは、一度も口を開かずに集中していた。しずかなリビングには、ひとつひとつのセリフがよく響く。
一時間なんてあっという間だ。気がつくと後半にさしかかり、切ないBGMが流れ出す。
あー、月曜日には、たぶんクラスでこのドラマの話題、出るだろうなぁ。わたしのクラスの女子、ほとんどこれ見てるから。
そんなことを思っていたら、ズズッて、すぐとなりで鼻をすする音が聞こえた。
首をまわして、ギョッとする。なんで泣いてんの、うのちゃん。
泣いている、どころじゃない。うのちゃんは口をへの字にひん曲げて、両目からボロボロと涙を流していて、顔面大洪水状態。
うのちゃんは、本当に涙もろい。
悲しいときも、つらいときも、しんどいときも、嬉しいときも、あまつさえ、楽しいときですら泣き出すことがある。
うのちゃんが泣きすぎるから、逆にわたしの涙が引っ込んでしまって、感動も半減ってことも日常茶飯事だった。



