ベッドを見つめていると、亜子が淡々と言う。裕也はもう一度「何で……」と呟く。亜子は電話の時とは違い、感情を乗せずに話し出した。
「あんたはさ、自分のこと優しい優良旦那だと思ってるかもしれないけど、全然そんなことないから。無自覚モラハラ無能野郎だよ」
「は?」
「真奈を妊娠した時、つわりが酷くて動けなかった私に何て言ったか覚えてる?『他の同僚の奥さんはみんな妊娠してもキビキビ動いてるし、君もそうしないと!立派な母親になれないよ』って。真奈が産まれたら、『子どもにはやっぱりお母さんでしょ。家事もきちんと両立できないといいお母さんとは世間から呼ばれないよ』って言って、真奈を一度も抱っこすることもなく、家事を手伝ってくれるわけでもなく、何もかも私に押し付けたよね?」
「そ、そんなこと……」
「だから二人目は作りたくなかったの。どうせ押し付けられるってわかってたから。それなのに、『兄弟がいないと可哀想だよ。俺の同期、みんな兄弟作ってるよ。うちだけいないなんておかしいよ。兄弟作ってあげようよ』ってしつこくて……!」
「あんたはさ、自分のこと優しい優良旦那だと思ってるかもしれないけど、全然そんなことないから。無自覚モラハラ無能野郎だよ」
「は?」
「真奈を妊娠した時、つわりが酷くて動けなかった私に何て言ったか覚えてる?『他の同僚の奥さんはみんな妊娠してもキビキビ動いてるし、君もそうしないと!立派な母親になれないよ』って。真奈が産まれたら、『子どもにはやっぱりお母さんでしょ。家事もきちんと両立できないといいお母さんとは世間から呼ばれないよ』って言って、真奈を一度も抱っこすることもなく、家事を手伝ってくれるわけでもなく、何もかも私に押し付けたよね?」
「そ、そんなこと……」
「だから二人目は作りたくなかったの。どうせ押し付けられるってわかってたから。それなのに、『兄弟がいないと可哀想だよ。俺の同期、みんな兄弟作ってるよ。うちだけいないなんておかしいよ。兄弟作ってあげようよ』ってしつこくて……!」


