ちらりと最上くんを見れば、こちらを見上げている。
どことなく寂し気な表情に見えるのは私だけ?
うん、気のせいだ。
気のせいだから教室に戻ろう。
そう思った瞬間。
右手に温かいものが触れたと思えば、ぎゅっと掴まれる感触。
えっ?
思わず最上くんに目を落とせば、最上くんの左手が私の右手をしっかりと握っていた。
「待って」
最上くんの温もりが伝わってくる。
細い指だけど男の子の手だ、って思ってしまう私はどうかしている。
真っすぐに見つめてくる最上くんの瞳にドキドキしてしまって、手を振り払うこともできない。
「他の写真も見せて?」
「え……。なんで、」
「萌音が可愛かったから。写真の萌音、笑顔が可愛い」
「……」
「楽しそうに笑ってる」
初めて言われた。
可愛いって。
笑顔が可愛いって。
楽しそうに笑ってるって……。
私は無意識にこわばっていた口元を、ふっと緩ませた。
どことなく寂し気な表情に見えるのは私だけ?
うん、気のせいだ。
気のせいだから教室に戻ろう。
そう思った瞬間。
右手に温かいものが触れたと思えば、ぎゅっと掴まれる感触。
えっ?
思わず最上くんに目を落とせば、最上くんの左手が私の右手をしっかりと握っていた。
「待って」
最上くんの温もりが伝わってくる。
細い指だけど男の子の手だ、って思ってしまう私はどうかしている。
真っすぐに見つめてくる最上くんの瞳にドキドキしてしまって、手を振り払うこともできない。
「他の写真も見せて?」
「え……。なんで、」
「萌音が可愛かったから。写真の萌音、笑顔が可愛い」
「……」
「楽しそうに笑ってる」
初めて言われた。
可愛いって。
笑顔が可愛いって。
楽しそうに笑ってるって……。
私は無意識にこわばっていた口元を、ふっと緩ませた。



