好きすぎてヤバい。〜秘密の終わりは恋の始まり⁉︎〜

20件近くの不在着信。

私が折り返しかけなおそうとした瞬間。


プルルッ。

実家から電話がかかってきた。

慌てて通話ボタンを押す。



『もしもしっ、萌音⁉ 大事な話があるのよっ』



泣き声と一緒に聞こえてきたのは、久しぶりに聞くお母さんの声。



「えっと。もしかしてアパートの家賃の話?」

『もう聞いたのねっ。お母さんとお父さんの収入だけじゃ、萌音のアパートの家賃を支払えなくなっちゃって……っ』



これが現実なのか。

うちの実家は農家をやっていて、本当に貧乏だ。

その中でアパートの家賃を今まで払ってもらえていただけ、幸せなことなんだろう。

家賃1か月分が限界。

そんな状況なのに、お母さんとお父さんは笑って私を送り出してくれたんだよね……。



『本当にごめんね、萌音……っ』

「私は大丈夫だよ! これからは私がバイトしてなんとかするから!」

『実家に戻ってきても……』

「そっちに戻ったら、また転入手続きとかでお金かかるでしょ? こっちでなんとかなるって!」



それだけ言って私は半ば強引に電話を切った。