好きすぎてヤバい。〜秘密の終わりは恋の始まり⁉︎〜

いまいち理解ができていなさそうな最上くんはスマホを持ったまま、私の右隣にすとん、と座った。

柔軟剤なのか、香水なのか。

さりげない優しい香りが私の鼻をかすめた。

最上くんの整った顔立ちが先ほどより近い距離にある。

不覚にもドキッとしてしまった私が恥ずかしい。



「雑誌に載るってことは写真とかあるんでしょ?」

「まあ、」

「見せて」



どうしてそうなった。

キラキラした目の最上くんの勢いに負けて、私は仕方なく、コスプレの写真を見せることにした。

だけど、ただ写真を見せただけじゃ最上くんは理解してくれなさそうだな。

首をかしげて『ふーん』って言って終わりそう。



「萌音の写真、見たい」



い、今っ。

萌音って。

萌音って名前で呼んだよね?


不意打ちはずるい……。

クラスどころか、学年問わず、学校中の女子からモテモテの最上くんに名前で呼ばれちゃった……。

動揺を必死に隠す私は、最上くんに手を差し出す。