「萌音」

「はい……」

「好きだよ」



最上くんの透き通った目が私をとらえて離さない。

今、好きって言うのはずるいよ……。

私をこれ以上ドキドキさせないで……。



「萌音は?」

「……私も。最上くんが好き」



目をまっすぐに見つめて伝える想い。

最上くんの表情が柔らかくなる。

口角が少し上がり、頬を緩ませた最上くん。

すごくきれいな微笑みだった。

私の口角も自然と上がる。

この時間が止まってしまえばいいのに……、って思ってしまう。



「撮影中なんだから、2人でいちゃつかないのー」



瑞樹くんの声が飛んでくる。

ぱっと瑞樹くんを見れば、腕を組みながら頬を膨らませている。

面白くない。

そんな表情だけど、瑞樹くんのまとう雰囲気は決して嫌なものではなかった。