「萌音。俺たち2階の部屋にいるから、衣装着たら呼んで」

「別に、僕たち後ろ向いていればいいじゃん」

「瑞樹が萌音の着替えを見そうで嫌だから。……ほら、行くよ」



最上くんは瑞樹くんの腕を掴んで、2階へと上がっていく。

恭介もその後ろに続いて階段を上る。

彼らの後姿を見送った後、私は衣装に手をかける。


……ネネちゃんの衣装。

私専用の衣装……。

私は慎重に衣装をハンガーから外す。

丁寧に作られているなぁ……。

最上くんの想いが伝わってくる。

私は服を脱ぎ、衣装に手を通す。

背中部分についているファスナーもなんとか自分で上げられた。

衣装に添えられていたブーツに足を入れ、最後はネネちゃんのロングウィッグをかぶる。


私は衣装合わせのために最上くんが用意してくれた全身鏡に自分の姿を映す。

……完全にネネちゃんだ。


かわいい。

かわいい、かわいいっ!


興奮を抑えきれないまま、私は彼らを呼ぶ。