私、最上くんのことが好き。

天然なところも好き。

少し世間知らずだけど、子供みたいに目を輝かせているところが好き。

普段はクールなのに、私には笑顔を見せてくれるところが好き。

心配性で、いつも助けてくれるところが好き。

こんなにも最上くんの好きなところがたくさん出てくるのに、なんで今まで気が付かなかったんだろう。



「萌音。好きだよ」



私に言い聞かせるように耳元で囁かれる言葉。

それは、優しくて、甘くて、私の胸を掴んで離さない。

私も伝えたい。

好きだってこと……。



「あの、最上くん……」



私も好き。

たった一言を口にするのが難しい。

だけど、伝えたい。



「私も、す、」



バンッ!

勢いよく屋上の扉が開いた音がする。

最上くんに抱きしめられながら、扉の方を見ると……。

そこに立っていたのは瑞樹くんだった。