「……え?」

「萌音。好きだよ」



耳元で囁かれた言葉。

突然の言葉に私は理解が追い付かない。

今のって、もしかして告白?

でも、最上くんが私のこと好きだなんて、そんなこと……。

あるはずがない。

そう思うのに、なんでだろう。

胸がぎゅっと掴まれたような感覚になって泣きそうになる。



「冗談、やめて、よ」

「本気だよ」

「……友達として、だよね」

「女の子として、萌音のことが好き」



ずるい。

ずるい、ずるい。

私の感情はずるい。

今になって自分の感情に気づくなんて、ずるいよ。

最上くんに告白されて、自分の気持ちに気づくなんて……。