昼休みの屋上でひとりお弁当を食べていた私。


ひとりで寂しくないのかって?

もちろん寂しいさ。

でも、今はそんなことどうでもいいっ。


お弁当を床に置いたまま、震える手でスマホ画面を握りしめる。

画面に映し出されているのは1通のメール。



「私が雑誌に載るって……。夢じゃないよね⁉」



スマホを凝視しながら、私は今にも踊りだしそうな気持ちを必死に抑えていた。



「滝沢 萌音様。この度は雑誌掲載が決定致しましたことをお知らせします……、って私だよね⁉ 私のことだよね⁉」



滝沢 萌音……、間違いなく私の名前だ。


や、、。

や、やったぁーっ!

念願の雑誌掲載、決定だよ!

これまで、たくさんの衣装で身を包んできて正解だった!


衣装を着るのは好き。

その好きなことで雑誌に載ることが出来るなんて夢みたい!

雑誌の発売日に、本屋さんへ行こう……っ!


そんな浮かれている私に近づいてくる人影に、私は全く気付かなかった。