ドイツ人産婦人科医のモニカ・ハイド、ウクライナ人内科医のナタリア・ソーニャ、ケニア人看護師のアルオチ・キバキと一花は楽しそうに話しながらそれぞれ注文し、話をしている。

「ねえねえ一花、この前の合コンどうだったの?看護師に誘われて行ったって話してたじゃない」

アルオチの言葉に、桜士のお冷の入ったグラスを持つ手に力が入る。合コンに行ったなど、桜士は知らないことだ。いい人は見つかったのか、緊張していると一花の声が聞こえてくる。

「ん〜、最初は声をかけられたんだけど、私が医者だった知ったらみんな話しかけてこなくなったわ。だから誰とも連絡先を交換してないし、ただご飯を黙々と食べてただけね」

「日本の合コンに参加するとそうなっちゃうよね〜……。自分より学歴・年収がある女はお断りって人多いから」

ナタリアが言い、桜士はホッと胸を撫で下ろす。この時ばかりはプライドの高い男たちに感謝をした。

「まあ、男なんて何万人といるんだ。落ち込まずに次に行け」

モニカが一花を励ますも、一花は「いや、数合わせで行っただけだからもう合コンはいいかな〜」と笑う。