父親であろう男性が淡々と看護師に言い、庄司が「藁科さんのご家族さんですか」と声をかける。そして状態を説明しようとしたのだが、「その必要はありません」と母親が言った。
「私たちは、詩織をあくまで引き取りに来ただけです。十七時から二人は塾がありますので」
「あの!お嬢さんは風邪薬を大量に飲んで搬送されたんですよ!?」
庄司が慌てて言うと、「それが何か?」と返される。父親がメガネをクイと上げ、口を開く。
「いいですか?息子の哀(あい)は都内トップの進学校に通い、将来は東大に進めるだろうと言われているんです。詩織にだってそれくらいの頭脳はある。勉強の時間を奪うわけにはいかない。二人の素晴らしい未来をこんなことで無駄にしたくないので」
オーバードーズをした娘を心配もせず、勉強だ塾だと二人は言っている。詩織の兄である哀はそれに反論することなく、英単語を勉強している。詩織を心配する様子は一切見せていない。
「ちょっと待ってください!!」
「私たちは、詩織をあくまで引き取りに来ただけです。十七時から二人は塾がありますので」
「あの!お嬢さんは風邪薬を大量に飲んで搬送されたんですよ!?」
庄司が慌てて言うと、「それが何か?」と返される。父親がメガネをクイと上げ、口を開く。
「いいですか?息子の哀(あい)は都内トップの進学校に通い、将来は東大に進めるだろうと言われているんです。詩織にだってそれくらいの頭脳はある。勉強の時間を奪うわけにはいかない。二人の素晴らしい未来をこんなことで無駄にしたくないので」
オーバードーズをした娘を心配もせず、勉強だ塾だと二人は言っている。詩織の兄である哀はそれに反論することなく、英単語を勉強している。詩織を心配する様子は一切見せていない。
「ちょっと待ってください!!」


