「君のそうしてあげたい気持ちはわかります。でも、こういう事情で搬送された人は事情を聞いて、専門医を紹介しなくちゃいけないんです」
オーバードーズをする人は、心に何かを抱えていることが多い。そのため、体の処置だけでなく心の治療も必要になってくる。
「藁科さんの手首にはリストカットの痕がたくさんありました。それもきっと今回のオーバードーズに関係しているのではないですか?」
桜士がそう言うと、昴は何かを言いたげだったものの口を閉ざす。だが、それは詩織も変わらず同じで、布団にくるまったまま何も言わない。
その後、看護師たちが声をかけたものの詩織が何かを言うことはなく、時間だけが過ぎていった。
そしてお昼を過ぎた頃、救急科のドアが開き、三人の人物が入ってくる。スーツを着てメガネをかけたクールな雰囲気の男性、スーツを着たザ・キャリアウーマンという雰囲気の女性、有名私立高校の制服を着た男子高校生の三人だ。
「藁科詩織の家族の者ですが」
オーバードーズをする人は、心に何かを抱えていることが多い。そのため、体の処置だけでなく心の治療も必要になってくる。
「藁科さんの手首にはリストカットの痕がたくさんありました。それもきっと今回のオーバードーズに関係しているのではないですか?」
桜士がそう言うと、昴は何かを言いたげだったものの口を閉ざす。だが、それは詩織も変わらず同じで、布団にくるまったまま何も言わない。
その後、看護師たちが声をかけたものの詩織が何かを言うことはなく、時間だけが過ぎていった。
そしてお昼を過ぎた頃、救急科のドアが開き、三人の人物が入ってくる。スーツを着てメガネをかけたクールな雰囲気の男性、スーツを着たザ・キャリアウーマンという雰囲気の女性、有名私立高校の制服を着た男子高校生の三人だ。
「藁科詩織の家族の者ですが」


