(うい)、さっきからにやけすぎ」

教室に着いた途端、紺くんが言う。

「だって一緒に登校するの1週間ぶりだったんですよ!?」

「あー、そうだったね」

「もう!紺くんは嬉しくないんですか?」

「俺は……、」

ピンポンパンポーン──、


紺くんの言葉を遮るように、お知らせのチャイムが鳴る。

その直後、教室に取り付けられているスピーカーからは七海夫婦の声が聴こえてきた。

『グッモーニングエブリワン。パートナー入れ替えの課題を無事終えたあなた達に今日は新しい課題のお知らせよ』

『みんな鞄を置いたら、屋上へと移動してね。とっておきの特典を用意して待ってるわ♡』


新しい課題にとっておきの特典。


その言葉に周りのペアはもちろん、さっきまで気だるそうにしていた紺くんも目の色を変える。