私よりドジだから、不安で仕方がない。

「本当に気を付けてね?」

「分かってるわよ!」

 本当かな……と思いつつも、それ以上は言わない。

 変に空元気なお母さんを横目に、ふぅ……と息を吐く。

 分かってるなら、いいんだけど……。

 心の隅で呆れたように考えながら、お母さんの寝癖を直しにかかった。



「まぁ。」

「おはようございます。和凜さんのお母様、ですか?」

 や、ややこしい事になった。

 昨日、私から迎えに来てとお願いした。

 だから、家の近くのここに絆那さんがいるのは何らおかしな事ではない。

 だけど……少し、面倒な事になってしまった。

「えぇ、そうよ! もしかしてあなた、和凜の彼氏かしらっ?」

「お、お母さんっ……! な、何言ってるの……!」

 か、彼氏なんて、絆那さんに迷惑だよっ……!

 お母さん、完全に私のことからかってる……。

 私は恋愛には興味はないけど、お母さんはこれでもかと興味があるらしく。

 それも、人の恋路に。

 慌てて弁明するも、お母さんは絆那さんに興味津々。