これくらいで、いいかな……?

 何回か試行錯誤を繰り返し、お弁当の蓋を閉めて包む。

 私の分のお母さんの分を包んでから、スクールバッグの中に入れた。

「和凜、おはよう……。」

「お母さんおはよう。今日はいつにも増して眠そうだね。ちゃんと寝た?」

「まぁまぁ、かなぁ……。」

 朝食を並べながら、お母さんに笑顔を向ける。

 眠たそうで、今にも寝てしまいそうなお母さんの声。

 見た感じ洗顔とかはしてるっぽいけど、寝癖がついたままだ。

 まぁまぁ……という事は、あんまり眠れてないのかもしれない。

 どうすればお母さんがゆっくり休めるのかなぁ……。

 うっすらと隈も見えて、余計にそう思ってしまう。

「ちゃんと寝ないとダメって、いつも言ってるでしょ? お母さんは自分の体を優先しないと!」

「そう言われても……寝れる時はたくさん寝てるわよ?」

「そういう問題じゃないよ! 日頃からたくさん睡眠とってって事だよ!」

「……善処するわねっ。」

 心配だ……。

 お母さんの大丈夫や善処するは、正直言って信用できない。