独占欲強めの最強総長、溺愛は盲目なほど。

「お待たせしましたっ……!」

「全然待っていない。本当に可愛いな。」

「……っ、か、可愛くないですってば!」

 絆那さんは、恥ずかしくないのだろうか。

 私は言われただけでも、こんなに赤くなってしまっているのに。

 不意打ちは、心臓に悪いからやめてほしいっ……!

 そう思いながら抗議すると、ふと絆那さんの近くにいた人に意識が向いた。

 近く……というよりかは、背後。

 その人は何やら私と絆那さんを見比べてから、話しながら姿を見せた。

「君が咲城和凜ちゃん、だよね? 俺は絆那の友達の朝霞水翔(あさかみなと)だよ。急に俺も来ちゃってごめんね、驚かせちゃった……かな?」

「い、いえっ……驚いてはいませんが、あの……どうして私を知っているんですか?」

 朝霞……さんと私は、初対面のはず。

 絆那さんのお友達らしいから、怖い人じゃないのは分かる。

 朝霞さんはいかにも爽やかそうな人で、お兄さんって感じもする。

 悪い人とか警戒するに値する人じゃないって理解はしているけど……名前を知られてるのは、少しだけ不思議な感じだ。