独占欲強めの最強総長、溺愛は盲目なほど。

 だけどそれだけで、自分を卑下するような事を言わないでほしいっ……。

 だって、美月ちゃんは……。

「美月ちゃんは私の自慢のお友達だから、そんな事ないって分かるもんっ!」

「和凜……」

「私よりもずっと強くて優しくて頼りがいがあって、美月ちゃんは凄く強いよ!」

 天狼さんと美月ちゃんはどっちも優しくて強いから、比べられない。

 私にとっては二人とも、強いから。

 それに、男子と女子を比べてもダメだと思う。

 だから、そんな風に諦めたような表情をしないでほしい。

 私はそんな悲しい表情を見たいわけじゃなく、美月ちゃんの笑顔が見たいから。

「ふふっ……和凜には敵わないや。あたしやっぱり、和凜のこと大好きだわ。この天使ちゃんめ~!」

「ふにふにしないで、くすぐったいよっ……あははっ。」

 さっきよりも桁違いなくらいの力で抱き着かれ、頬をつつかれる。

 もうそろそろ授業が始まるから、やめてほしいけどっ……。

 でも……美月ちゃんがいつもの調子に戻ってくれて、良かった。