独占欲強めの最強総長、溺愛は盲目なほど。

「そ、そうなの……?」

「そうなの!」

 力量……確かに、天狼さんは強い。

 助けてもらった時だって、圧倒的な力だった。

 男の人を吹っ飛ばしてしまうだなんて、私が思うよりもずっと天狼さんは強い人なんだろう。

 女の子の美月ちゃんが敵わないのも、納得できる。

 渡したくないとか、専属天使だとかはよく分からないけど……あはは。

 でもこの言葉で、私はどれだけ美月ちゃんに心配をさせてしまったのかが分かった。

 ……それだけは、はっきりと。

 少しだけ腑に落ちないところもある私を見ながら、美月ちゃんはさらに言葉を続ける。

「でも、天狼が女子……というか他人にあんな風に好意的になるのは何だか面白いし。あいつにだったら、和凜を任せられると思ってる。私なんかより、ずっと強いから。あいつは。」

「そ、そんな事ないよっ……!」

「和凜……? どうしたの、そんな大声出して。」

 卑下するような美月ちゃんの言葉に、つい大きな声を出してしまった。

 美月ちゃんが言っている事は、事実なのかもしれない。私も天狼さんの力を知っているから。