天使のような満面の笑みで、気遣うような優しい言葉。

 あれで虜にならない奴がいるだろうか……?

 ……いや、いないな。

 現に、周りの男共はそのせいでほとんどノックダウン状態だ。

 和凜をこんなに獣だらけのところに放り込みたくないという気持ちは十分にあるが、それ以上に縛りたくないという気持ちがある。

 俺はまだ、和凜の何でもない。特別な存在でも、彼氏でも。

 まぁ……和凜が俺のものになってくれたとしても、縛りたくはないが。

 和凜は可愛すぎるが故に、昨日のような変な輩が来るんだろう。

 だったら俺が、守ってやらないと。

 非道徳的な輩や、気持ち悪い輩たちから。

 そう思うような使命感が出ているのは、俺はそれくらい和凜に溺れているからなんだろう。

 ふっと、自嘲気味にそんな考えを抱いた。