独占欲強めの最強総長、溺愛は盲目なほど。

「昨日みたいな事になっては、心配でどうにかなりそうなんだ。だから、俺が送っても良いか?」

「……は、はい。お願い、しますっ。」

「ありがとな。」

 まだ戸惑っている和凜だが、はっきり返事をしてくれた事に安堵する。

 こんなに可愛い生き物を一人で帰らせるのは、やっぱりダメだ。

 襲われる可能性や攫われる可能性、ストーカーされてしまうかもしれない。

 ……あぁダメだ、和凜のことになると無限に考えてしまう。

「き、昨日みたいな事って……な、何があったの天狼! 教えなさい!」

「……お前には関係ない。」

「あるわっ! 和凜はあたしの精神安定剤と化してるくらいの友達なんだから!」

 思ったよりも執着気質なのか、負け犬のように吠えているそいつ。

 その時、運悪くチャイムが鳴ってしまった。

 それと同時に、和凜が俺から離れていく。

「絆那さん、ここまで送ってくださってありがとうございました! 午後の勉強も頑張ってください!」

「……和凜もな。放課後、迎えに来る。」

 くそチャイムが……とも思ったが、和凜からの可愛すぎるエールを貰えたから良しとしよう。