独占欲強めの最強総長、溺愛は盲目なほど。

「へっ……? き、絆那さんっ……な、何を……!?」

「……虫よけ。」

「む、虫……ですか?」

 呆気に取られている和凜は、やっぱり意味がいまいち分かっていないらしい。

 ぽかんとしてしまっているのも可愛いと思いながらも、目の前の般若のような顔をしている女に視線を動かす。

 さっきから圧が凄いんだよな、こいつ……。

 確か……レディースの総長、だったな。

 和凜以外は正直死ぬほど興味がないが、レディースの総長は存在だけは知っていた。

 まぁ、面倒だから関わる事はなかったが。

 容姿しか知らないから和凜の友達としても、関わるつもりはない。レディース総長だしな。

 関われば、面倒事は避けられないだろう。

 これから増えそうな面倒事にため息を吐きながら、和凜を抱きしめる力を少し強くする。

「明日から俺は和凜と一緒に過ごすから、昼と放課後はもらうぞ。」

「ほ、放課後……?」

 何の事?と言わんばかりの和凜の表情に、ふっと微笑み返す。

 その時に和凜の頬が染まったのは……気のせいだろう。