……和凜はどうしてこうも、可愛すぎる事しかしないんだ。

 心の中で大きすぎるため息を吐くも、和凜の可愛さと愛らしさが変わる事はない。

「天狼さんは卵焼き甘いほうが好きですか?それとも、少ししょっぱいほうが良いですか?」

 俺の為にあれこれと提案してくれる和凜の姿に、さっきから心臓のうるささが抑えられない。

 元はと言えば、俺が屋上にほぼ強制的に連れてきた事から始まった。

 昨日一瞬にして惚れてしまった俺は、一刻も早く和凜に会いたかった。

 また愛らしい笑顔を見たい……そんな一心で、俺のわがままで、和凜を連れ出してしまった。

 それなのに和凜は嫌な顔一つせず、それどころか俺にとって天国なのかという提案を二つもしてくれた。

 友達、か……。

 衝動的だった告白も拒否せずにちゃんと考えてくれて、嬉しかった。

 俺自身告白される事は多々あったが、全て断ってきた。

 俺に告白してくる奴ら、絡んでくる奴は大抵が見た目と地位目当てだから。

 自分の容姿は正直どうでもいいが、周りからはイケメンだのかっこいいだの囃し立てられてきた。