……そんな事、全然大丈夫なのに。

「私がしたいのでするんです。天狼さんさえよければ……って思って。」

 って、これってただの自己満足だ。

 こんな事に天狼さんを付き合わせてはいけないし、押し付けるのも良くない。

 苦笑して、何でもないと言おうとした時だった。

「……和凜の負担にならないのなら、頼んでも良いか?」

 凛とした天狼さんの瞳に囚われ、一瞬反応の仕方を忘れる。

 でもその直後に私は、大きく頷いた。

「もちろんですっ……!」

 こんなお願い、私の押し付けなのに。私の自己満足なのに。

 脳裏でそう考えながらも、嬉しさだけは拭えなくて。

 美月ちゃんに明日からの事を何て言えばいいかなんて、この時の私は全く考えてなかった。