独占欲強めの最強総長、溺愛は盲目なほど。

「ありがとう、和凜。楽しみにしてるわね! それじゃあ、行ってきますっ!」

「行ってらっしゃい、お母さんっ!」

 満面の笑みを見せて、お母さんを見送る。

 その後、私は戸締りができているかを確認してから家を出た。

 晴れ渡っている青空が視界いっぱいに広がり、思わず「わぁっ……!」と声を上げる。

 快晴なんて、久しぶりかもしれないなぁ……。

 雲一つない綺麗な青空を見るのが何だか久しぶりな気がして、気分が自然と上がっていく。

 良い事、あればいいなぁ。

 ぼんやりとそう考えながら、私は大きく意気込んでスクールバッグをしっかり持ち直した。



 学校の校門を通り抜け、昇降口で挨拶を交わす。

「おはよう、美月ちゃんっ……!」

「あっ……おはよう、和凜。今日も可愛いね、本当にいつまで見てても飽きないや。」

「可愛いって……そんな事あるわけないよっ。そういう美月ちゃんのほうが可愛いってば……!」

「そんな事言って~……どこまでも無自覚ちゃんなんだから。あたし、困っちゃうんだけど。」