独占欲強めの最強総長、溺愛は盲目なほど。

「なぁ。」

「っ……は、はい?」

 情けない嫉妬を隠すように、和凜に声をかける。

 というか、出会って数十分の奴にここまで惚れるとは……思わなかった。

 嫉妬するのも早すぎるし、どれだけ俺は独占欲が強いんだっての。

 自嘲するように思いを馳せて、さっきから隅で考えていた事を尋ねる。

「何でお前はこんな暗い中一人で帰ってるんだ。お前みたいな奴、さっきみたいに絡まれるぞ。」

「わ、私みたいな奴……?」

 分からない。今にもそう言いそうな和凜に、頭を抱える。

 ……やっぱこいつ、ほっとけない。

 正直質問に答えてほしい気持ちでいっぱいだが、それ以上に気になる。

 こいつ……まさかとは思うが、無自覚か?

 演技の可能性も考えたが、挙動から考えるに本気で分かっていないんだろう。

 それどころか……何か別のほうに考えてる気がするのは、気のせいか?

 いや、まぁ……いい、か。

 分かっていないのなら、分からせたらいい。

 自覚していないなら、自覚を持たせればいい話だ。