独占欲強めの最強総長、溺愛は盲目なほど。

 眉の端を下げて、心の底から不安がっている和凜が視界に入った。

 和凜、もしかしてだが……結構なお人好し、なのか?

 本気でそう思うほど、純粋そうな反応。

 自分が大変な事になってたのに、今はほとんどに気にしていないようだ。

 それどころか俺を気遣う言葉を言って、心配している。

 呆気に取られてぽかんとするが、俺はふっと微笑んでみせた。

「また絡まれたらお前、逃げれないだろ。夜も遅いし、送ってく。」

 さっきの様子を見るに、和凜は抵抗が弱い。

 男に捕まったら逃げれないだろうし、そのまま……いや、考えたくもない。

 襲い掛かってきた嫌悪を拭うように、心の中で舌打ちをする。

 はぁ……和凜に触れたあいつら、半殺しにしときゃ良かったかな。

 本気で考えて、ぐっと拳を握り締める。

 その瞬間、少しだけ恥じらうような嬉しそうな声が聞こえた。

「あ、ありがとうございますっ……。」

 …………はぁ。

 心の中で盛大すぎるため息を吐き出し、家の方向を聞く。

 その後にとことこ可愛らしい様子で着いてきた和凜に、心臓が打つ。