独占欲強めの最強総長、溺愛は盲目なほど。

 最近お仕事が大変なのも、知ってる。

 お父さんも最近お仕事が立て込んでて、すぐに出て行ってしまう。

 だから私は、二人の代わりに自分のできる事をしてるんだ。

 少しでも家計を支えたくてバイトも考えたけど、うちの学校はバイト禁止らしい。

 その代わりに私は、家事をしている。

 私にはこれくらいしかできないから……。

 こんな生活してて、二人がいつか体を壊さないかと心配になってしまう。

 別に休んでも、誰も文句言わないのに……。

 そういう気持ちを込めながらお母さんに手を差し出すと、お母さんは満面の笑みを浮かべてこう言った。

「疲れなんか、和凜が元気でいてくれたら吹っ飛んでいったわっ! ありがとう、和凜。」

 ……きっとお母さんは、心配をかけないように笑ってくれている。

 私に心配をかけないように、背負い込んでいる。

 こんな時、何もできない自分が悔しい。

 お母さんの役に立ててないのに、感謝される事なんてしてないのに……。

「……そっか。なら、お母さんの為にいつまでも元気でいなきゃっ!」