……でもそうしたら、舎弟さんたちは何で私に声をかけてきたんだろう?

 次から次に疑問が出てきて、うーんと唸ってしまう。

「いやっ、馬鹿してるわけじゃないですよ総長!」

「そうです! あたしら、和凜さんを守りたいだけなんです!」

「……それがどうしたら、集団で心臓抑える事になるんだよ。」

「それは和凜さんの可愛さにあたしら全員やられたからです!」

「……あぁそう。それは分かるけど、和凜を困らせないであげて。」

 みんな、一体何のお話を……?

 私は理解できていないけど、みんなはできているみたいで美月ちゃんの言葉に舎弟さんたちがしきりに頷いているのが確認できる。

 私だけが置いてけぼりにされた気分になるも、きっと口を挟まないほうが良いよね。

 少し考えてそういった考えに至った私は、取り忘れていた教材を出す。

 ……うん、これでよしっ。

 両腕で教材を抱え、その直後に美月ちゃんに声をかけられる。

「和凜、さっきの悪かったわね。舎弟たちが勝手に接触して……何もされてない?」