「そうよ~。特に和凜は分かりやすいから、すぐにピンと来たのよね。」

「ほ、本当……?」

「ほんとよ。和凜はこれでもかってくらい分かりやすいんだから。」

 和凜も予想していなかったようで、顔を真っ赤にしながら慌てている。

 ……可愛いな、やっぱり。

 どんな姿でも和凜は可愛いが、真っ赤になっている和凜はより愛おしい。

 そんな中、和凜のお母さんが柔らかい笑みで和凜と俺を交互に見つめ、口を動かした。

「ほんとは和凜が言ってくれるまで待つつもりだったんだけど、気になっちゃって。ごめんなさいね、嫌だったでしょう?」

「やっ、嫌じゃ、ないけど……。」

 不安に思っているのか、笑みの中に心配の影を落としている和凜のお母さん。

 その言葉に、和凜は引き続き慌てながらそう答える。

 ……それは俺も、同意だ。

 嫌とかは全然ない。知られていたのは驚きだったが。

「大丈夫ですよ。むしろ、気付いてくれてありがとうございます。」

 和凜の些細な変化に気付いたお母さんは、きっと誰よりも和凜を理解している。