その笑みが和凜ととても似ていて、こっちもつられて微笑む。

 その時、和凜のお母さんが何かに気付いたように手を口元にあてた。

「……ねぇ和凜、こんな事今聞く事じゃないかもしれないけど。」

「どうしたの、お母さん?」

 こてんと首を傾げる和凜を見て、俺も不思議に思う。

 何だろうか? 何か気になっている事でもあるんだろうか?

 そう思い、和凜と顔を見合わせる。

 直後、少し上ずった和凜のお母さんの声が聞こえてきた。

「もしかしてなんだけどね、和凜と絆那君……お付き合い、しているのかしら?」

「ふぇっ!? な、何で知ってっ……」

「雰囲気見てたら分かるものよ~。今日はこの前までと違って何だか雰囲気が変わってたし、昨日から和凜の顔つきも違ってたし。お母さん舐めないでよねっ。」

 ……マジか。

 こんな事思うのは失礼だと思うが、和凜のお母さんも和凜同様そういう事には鈍いかと思っていた。

 ましてや昨日の今日だし、気付かれてるなんて思ってなかった。

「そ、そんなので分かっちゃうのっ……!?」