独占欲強めの最強総長、溺愛は盲目なほど。

 そう言った彼……天狼さんに、無意識に心臓が高鳴る。

 ……ドキッと、した。

 何だろう、この感覚……。

 男の人にはあまりいいイメージは持っていないのに、どうしてだろう。

 ――天狼さんはすぐに、優しい人だって分かった。

 直感なのは分かってるけど、そう思わずにはいられなかった。

 だって……私を助けてくれたから。

 そこまで考えて、はっと今の時刻を考える。

 あっ……も、もう帰らなきゃっ……。

 いつもよりも時間を食っているし、お母さんたちの夜ご飯を作れなくなっちゃう。

「本当に助けてくれて、ありがとうございました! では、失礼しま――」

「一人で、帰るのか?」

「えっ……?」

 意味が分からなくて、返した踵を彼へと向け直す。

 でも、ここには私と天狼さんしかいないよね……?

「は、はい。そうですけど……」

「なら、俺が送ってっても良いか? また絡まれたら、心配だ。」

 首を縦に振り、肯定すると直後に天狼さんの声が聞こえた。

 その声は、不安と心配が混ざっているようだった。