『絆那さん……私の恋人に、なってくれますか?』

 ……俺で良いのか?

 始めはそう思っていた。

 元々は俺の一目惚れで、和凜が好きになってくれるかどうかなんて当たり前だがさっぱりだった。

 それでも和凜は、そう言ってくれた。

 自分の意思で、そう言ってくれた。

 これ以上嬉しい事はない。

 ……もう和凜は、俺のもんだ。

 誰にも渡すつもりはないし、一生好きでいてもらえるように努力も欠かさない。

 そしてこの世の誰よりも、幸せにする。

 まだまだ俺は未熟だが、それでも俺は。

 ――和凜の為なら、何だってする覚悟を決めている。

「あっ、絆那さんおはようございますっ!」

「おはよう和凜、今日も可愛いな。」

「……っ。き、絆那さんってば……!」

 今までは俺の“可愛い”も、真に受けられていなかったが。

 晴れて恋人になってからは、恋愛的での意味で捉えてくれるようになった。

「あら絆那君、お久しぶりね~。おはようっ。」

「おはようございます。」

 後から和凜のお母さんも出てきて、俺に優しい笑みを向けてくれる。