独占欲強めの最強総長、溺愛は盲目なほど。

 そのせいで体を動かすことができなくて、じわっと涙が滲んでくる。

 この状況を打破する方法なんて、私にはない。

 ちんちくりんな私じゃ、どうする事もっ……。

 せめて反論しようと口を開いた、その瞬間の事だった。

「……うるせぇ。」

 ――ドンッ!

 背後から声が聞こえたと同時に、目の前の男の人が吹っ飛ばされる。

 …………え?

 何が起きているのか分からず、瞬きを繰り返す。

 えっ……ど、どういう、事……?

 吹っ飛ばされた男の人は結構遠くまで飛ばされ、ぐったりとしている。

 それを見たもう一人の男の人が、私の背後を見て顔を真っ青にした。

「お前……まさか、天狼……っ!」

「知ってるんならさっさと行け。邪魔になる。」

「ひっ……!」

 そんなやり取りが聞こえ、男の人が誰と話しているかが気になって後ろを向く。

 ……っ、わっ。

 その瞬間に、私は息を呑んでしまった。

 長身で黒髪に銀色のメッシュが入っていて、切れ長の藍色の瞳。

 私の通っている学校の制服を着崩していて、さっきの出来事も相まって一瞬で不良さんなんだと分かる。