独占欲強めの最強総長、溺愛は盲目なほど。

 心の中で遅すぎる後悔をして、とりあえずこの状況から逃げようと一歩後ずさる。

「え、遠慮しておきますっ……!」

 知らない人とお出かけなんて、できないよっ……!

 それ以前に、怖そうな人とは関わりたくないっ……!

 とにかく怖いし、何を考えているか分からないから。

 もう帰ってしまったほうが良いと瞬時に思い、踵を返して家の方向へと向かう。

「失礼しますっ……!」

 大きな声でそう言い、急ぎ足でその場を離れようとする。

 だけど、一瞬にして男の人に腕を掴まれてしまった。

「は、離してくださいっ!」

「そんな拒否らないでよ。別に君の嫌な事強要してるわけじゃないでしょ?」

 抗議の声を上げるも、男の人には届いていない様子。

 力も強くて、痛くて顔を歪める。

 ど、どうしようっ……これじゃ、どうしようもないっ……。

 そこでようやく自分じゃ何とかできそうもない事を自覚し、足がすくんできたのが分かる。

 うっ……こわ、いっ……。

 ここまで人に対して恐怖を抱いたのは初めてで、怖いという言葉で頭が埋め尽くされる。