独占欲強めの最強総長、溺愛は盲目なほど。

 それを承知の上で、会長も言っているんだろう。

 私よりも会長のほうが頭良いし……。

 さっきよりも警戒態勢を整えて、会長を見据える。

 すると会長は何が面白いのか、ふっと微笑んだ。

「流石あいつの見込んだ女だ。これは頼みがいがあるな。」

「何を……言っているんですか。」

 あいつって誰……? そもそも、私に頼みたい事って……?

 教えてください、という目で会長を見つめる。

 その瞬間に会長はまた意味深な笑みを浮かべ直して、驚くべき事を口にした。

「天狼絆那、あいつにとことん冷たくしろ。それが俺からの頼み事だ。」

「……え?」

 どういう事……?

 このタイミングでどうして絆那さんの名前が出てくるのかは分からない。

 分からない……けど。

「どうして会長にそう言われないといけないんですか……! 私には、意味が分かりません……っ。」

 せっかく、せっかく自分の気持ちが分かったのに……っ。

 何で、会長がそんな事言うの……?

 会長に反抗するのは初めて。そもそも会長と話したのは、これが初めてなんだ。