独占欲強めの最強総長、溺愛は盲目なほど。

 ……最近私、自分に言い聞かせる事が多い。気がするじゃなくて、絶対に。

 私の意思が弱いのもあるとは思う。というか、そのほうが大きいはず。

 ……でも何だか、嫌な予感がしてしまう。

 何かが、来そうな予感……。

 不安を胸に抱えて、その考えを頭から払拭しようとする。

 別の事を考えて忘れよう。そうしたほうがいい。

 教室までの道のりを歩きながら、強く言い聞かせる。

「咲城和凜。」

「っ!」

 ……ほら、私はフラグ建築が上手すぎる。

 あははと自嘲したくなったけど、それどころじゃない。

 私の目の前には、ついさっき私を呼んだであろう人が立っていた。

 意味深で妖艶な笑みを浮かべて、この状況を面白がっているような人。

 ……生徒、会長だ。

 絆那さんくらい背が高くて、紺色の髪に水色メッシュが入っている。

 楽しんでいそうに細められた群青色の瞳は、私の中の何かを射抜いて見ているように見えて。

 そんな彼の名前は、天満時雨(てんましぐれ)さん。

「私に何の用ですか……? 会長……。」