「ふぅ……。」

 今日は楽しかったなぁ……。

 絆那さんに送ってもらってから、自分の部屋のベッドに飛び込む。

 凄く素敵な喫茶店に連れて行ってもらっちゃったし、奢ってもらっちゃったし……絆那さんには頭が上がらない。

 ……だけどこれから、どんな顔して絆那さんに会えばいいんだろう。

 自覚をしてしまった以上、緊張してまともに顔が見られない気がする。

 ううん、絶対見れないっ……!

 けど挙動不審になれば、絆那さんならすぐに気付いてしまいそう……。

 それは恥ずかしすぎる……っ。

「うー……。」

 どうすればいいんだろう。

 人を好きになったのはこれが初めてだから、どうすればいいかが全く持って分からない。

 絆那さんみたいにアピールする?

 ……それは無理。その前に私が恥ずかしくて死んじゃう。

 脳内で一人会議を開いてみるも、すぐに判決が出てしまった。

 意味もなく足をバタバタさせ、大きな息を吐く。

 こんなに恋って難しいものだったんだ……。

 ドキドキして、その人のことばかりを考えてしまうんだろうなぁ……なんてイメージはあったけど、想像以上に難しそう。