「これなら大丈夫だろ。」

「何から何まで、ありがとうございます……。」

「気にするな。」

 好き、大好きだ。絆那さんのこと。

 どうして今まで気が付かなかったんだろう。どうして今まで気が付けなかったんだろう。

 今までの自分がどれだけ鈍感だったか、今やっと分かった。

 今なら多分、絆那さんの気持ちが分かると思う。

 私も絆那さんのこと、絆那さんに負けないくらい好きです。

 今すぐそう言えるわけじゃないけど、いつか言えたら……。

 同じ言葉を返すのに抵抗がまだある私は、絆那さんの手を無意識のうちに強く握っていた。

「――やはり、咲城和凜はいい手駒になりそうだ。」