独占欲強めの最強総長、溺愛は盲目なほど。

「もしかしてだが……暗闇、怖かったりするか?」

「……はい、実は……あはは。」

 高校生なのにって笑われちゃうかも……。

 暗闇だけはどうにも好きになれなくて、こんな年になるまで引きずっている。

 その言葉に何かを確信したように絆那さんは、丁寧な動作で私の手を握った。

「えっ……!?」

「こうすれば少しは気が紛れるだろうし、離れたりしないだろ? 嫌、か?」

「いえっ! それじゃあ、お願いします……。」

「ん。しっかり握っとけよ。」

 わ、大きな手……。

 何度か手を引かれた事はあったけど、こんな風にまじまじと繋いだ事はなかった。

 男の人って、みんなこんなに大きな手してるのかな……?

 何もかもを包んでくれそうな手に、安心感を覚える。

 絆那さん、凄いや……。

 すぐに私の不安を取り除いてくれ、優しく接してくれる。

 ドキドキと高鳴る心臓が、今は心地よく感じた。

 それと同時に、私はやっと気付いた。

 ――私、絆那さんのこと好きだ。

 吊り橋効果なんかじゃない。はっきりと、私の心の中に“好き”という気持ちが表れた。