今日は何も予定はないし、何なら暇していた。

 だから私にとっても好都合。

「じゃ、また放課後な。」

「はいっ! 楽しみにしてます!」

「あぁ。」

 えへへっ、絆那さんとお出かけだっ……!

 こうしてお友達同士で行く事なんて美月ちゃん以外で行った事がないから、すっごく楽しみっ。

 喫茶店、どこのだろうなぁ……?

 滅多に喫茶店に行かない私は、こっそりわくわくしていた。



「おーい、かりーん?」

 喫茶店の事ばかり考えていたせいなのか、はっと気付いたらもう放課後になっていた。

 わ、私ってばずっと上の空だった気がっ……。

 美月ちゃんに声をかけられ、瞬時に我に返る。

「和凜、そんなに喫茶店楽しみなの? 午後の授業ずっとわくわくそわそわしてたけど。」

「……あはは、分かる?」

「えぇ。それはもう明らかに。」

 あっさりとはっきり言われてしまい、恥ずかしさから乾いた笑みを浮かべる。

 ううっ、私ってどれだけ子供っぽいんだろうっ……。

 ただ喫茶店に行くだけなのに、こんなにはしゃいじゃって……。